時は遡ること200年余り。創業江戸時代末期。
秋田県秋田市の新屋(あらや)という地域に、終戦頃まで約150年間営まれていた、とある呉服屋さんがありました。
部分的に改築を行いながら建物は残りつつも、現オーナーさんも呉服屋時代のことは生前のことで詳しいことは分からず。ただ、当時地元の方からは家系の「屋号」で呼ばれ、深く親しまれていたとのことです。その名も
治五右衛門(じごえもん)
今回は2017年3月に女性限定のシェアハウスへと変貌を遂げたばかりの「シェアハウス治五右衛門」オーナー小松田園子さん(以下、小松田さん)にお話をお伺いしました。
現横手市在住、看護師一筋で働かれていた小松田さんですが、空き家当然になっていたご実家をどうにか残したい・上手く活用したいと、一念発起してリノベーションを決意。昨年2016年10月にはご退職もされ、今後はシェアハウスのオーナーを務めながら、新しいことにもどんどんチャレンジしていきたいと胸を躍らせます。
シェアハウスの前には「入居者募集!」の看板。
アトリエ・ギャラリーあり、噂によると近隣の美大に通う学生が続々入居を決めているとのこと。
なんだかとても面白い話が聞けそうです。早速行ってみましょう。
(聞き手・文・撮影:カマダダイスケ)
※このインタビューは2017年3月26日に行ったものです
2017年3月完成。学生歓迎「女性限定」シェアハウス
── あ、こんにちは!今日はよろしくお願いします。
小松田 はーい、いらっしゃい〜。よろしくね!どうぞどうぞー!
── ありがとうございます。お邪魔します。
玄関をぬけた瞬間眼前に広がる開放感溢れる空間。日当たりがもの凄くいい…!!
広さ13貼ほどのスペース。美大近くの立地である利点も生かし、今後作品展示等を行うギャラリーとして活用してもらう予定とのことです。
シェアハウスとして貸し出されている部屋は現在5部屋。気になるお家賃は38,000円〜45,000円程(+共益費10,000円)。
家賃だけみてもかなりお得なのですが、Wi-Fi、電気、ガス、水道代は全て共益費に込み(無料)、各部屋テーブル、机、ベッド付、エアコン完備。近隣の美大生には嬉しいAdobeソフトも使えるパソコンありということで、大きな家具の購入もほとんど不要。学生さんにとってはかなり条件が良い物件ではないでしょうか…?
洗濯機も共有で利用できるので買う必要なし
ちなみに、各部屋お伺いした時点で、既に5部屋中3部屋入居が確定していました。入居を検討されている方はお早めにお問い合わせを。
24時間使用可能。代々受け継がれた内蔵はアトリエとして活用
シェアハウス治五右衛門語る上で欠かせないのがキッチンすぐ横にあるこの「内蔵」。
呉服屋創業以前から代々受け継がれてきたこの内蔵は住居全体のリノベーション後も中の備品を整理した上でそのまま活用、住人の方が24時間使用可能なアトリエへとその役目を変えました。
小松田 この蔵はね、呉服屋さんが終わった後、父親が寝床に使っていた場所なんです。
── え、そうなんですか??
小松田 そうなんですよー。呉服屋さんの後、板の間があったので、畳か何かを敷いて寝ていた蔵で。思い入れもあったのか、蔵だけは残していたんです。
── へぇー…!
キッチンの隣にある内蔵。アトリエとして24時間使用可能。
キッチン側から内蔵を抜けた先にも、ぽつりと1部屋。
元々は小松田さんがサロンで使用する予定だったらしいのですが、別の和室をご自身のスペースとして確保したのでこちらの部屋は今後貸し出す予定、とのことでした。
薄明かりに照らされた重厚な佇まいの内蔵から覗く、リノベにより明るく生まれ変わった白を基調とした空間。街中のシェアハウスの室内とは思えない雰囲気、とても絵になります。
なぜ「シェアハウス」だったのか?
入居者が自由に使える共同のキッチン
お兄様が亡くなられ、小松田さん自身も実家を離れ現在は横手市在住。
実質空き家状態となってしまっていたこのご実家ですが、思い入れのある内蔵も「治五右衛門」の屋号もなくしたくない。 色々考えた末に思いついたのが「シェアハウス」だったとのこと。
ただ住居スペースに関しては今から23年程前に建て替えられたこともあり、状態は極めて良好。そのため今回リノベーションを請け負った、同市内のデザイン事務所Seevisonsの担当の方からも当初「そのまま貸したほうが良いのでは?」という提案もあったようです。
しかし、小松田さんにはシェアハウスにこだわります。その理由は何だったのでしょうか。
「自分たちの家」でなくなってしまうのは嫌だった
小松田 (そのままリノベしないで)貸しちゃったほうがいいんじゃないですか?とも最初お話し頂いたんですけど…。貸すと家の中には入れないし、庭にも入れないじゃないですか?
それはなんとなく寂しくて…。
── なるほど。居場所は残したかったと。
小松田 そう!自分も出入りしたかったので。だから建て替えてでもシェアハウスにしたかったんです。
家は残したいけど、一人で使うには広すぎる。維持するにもそれなりに費用がかかる。せっかくだったら色んな人に使ってほしい…けど、でも自分も自由に出入りしたかった。
そんな小松田さんの要望を叶えるために一番良い選択が「シェアハウス」だったようです。
美大近くの名物「秋田のお母ちゃん」になったら楽しそう!
小松田 それで、シェアハウスを思いついた後に「(近くに)美大もあるじゃないかー!」ってなって。
── はい、ありますね。
小松田 一般の人に貸してもいいんですけど、学生の方に入って貰えば、次々受け継がれて「次じゃあ私がそこに入る!」ってなるだろうし。私も名物おばちゃんみたいな。秋田のお母ちゃんみたいになれるかな〜って!(笑)。
── あはは!なるほど(笑)。
秋田が「第2の故郷」になってくれると嬉しい
小松田 美大も7、8割は女の子でしかも(在学生の多くは)県外、というところに着目して。これなら県外の人たちが入ってくれたら「秋田に住もう!」って思ってくれる人が出てくれるかもしれないじゃないですか?
「秋田いいなぁ〜」みたいな。
── うんうん、ですね。
小松田 そう思ってくれると嬉しいし、もし県外に就職したとしても…。秋田って「あそこにいってみよう」とか、昔大学の時に住んでいたという人が「今、どうなってるかな?」と思っても、潰れてしまったり、なくなってしまっていることって多いと思いじゃないですか。
でも、ここは永遠に続けて「あのおばちゃんどうしてるかな?」とか、あのおばちゃんのあれが食べたいなとか。あのときこうだったなとか、思い出にしてほしいっていうのがあって。「第2の故郷」としてここに来て欲しいなって。
ここ(床を指指す)のオイル、1年に1回塗り直すんですよ。
── え、そうなんですね??
小松田 そうなんです。なので同窓会がてら「みんな塗りに来いよ!」みたいな。あのおばちゃん来いっていうから、みたいな感じで泊まりがてら、そんなのもいいかなーと思ってますね。
好きな部屋、大切な場所は「そのまま」残した
内蔵があり、それがアトリエとして使えるというだけでも十分珍しいシェアハウスではありますが、治五右衛門でおそらく一番特徴的なのは、元々あった「仏間(仏壇)」もそのままにしてあるところではないでしょうか。
オーナー小松田さんが不在のときもありますし、かつ不特定多数の人間が出入りする空間。都心部では到底考えられないようなこの状態ですが、実はここに周辺地域が抱える課題の解決に繋がり得るヒントが潜んでいました。
小松田さんはなぜこうしたのでしょう。
小さい頃から大好きだった丸窓のある仏間
小松田 やっぱりみんな躊躇するんですよ。このあたりは空き家になってるところも多くて、美大の先生たちも「ここ貸してくれませんか?」とは当たってるらしいんですけど。
「仏間があるから…」とか「いやちょっと、他人が家に入るのは…」っという感じみたいで。
それは、分からないでもないんです。私も…!
例えば、全然知らない人が(自分の家)買い取って、生まれ育った場所を好き勝手使われるというのは…、なんとなく心中おだやかじゃない。
── 確かに、そう思う方は多いでしょうね…。
小松田 そう。だからこそ私もシェアハウスにしたけど、共有の部分や仏間残したりとか、残したい部分は残したんです。
私はあの部屋(仏間)がすごく好きで。丸窓があって仏間があって床の間があって…。やっぱり小さい頃から見てきた部屋だったので、その部屋は絶対残してもらいたくて「ここは手付かずにしてほしい!」っていう感じで。
どうしても消防法の関係で排煙装置がないといけないということで、それは対応してもらったんですけど。見た目はわからないようにしてもらえたので…(そのまま残してもらえて)ホントによかったです…!
空き家・跡継ぎ問題解決のヒントになれば嬉しい
── もしかすると治五右衛門の取り組みが、周辺の地域の方の参考になるかもしれませんね。
小松田 そうですねー。シェアハウスじゃなくても、なんか…集まる場所というか。もしかしたら何か出来るかもしれない、っていう。ちょっとしたキッカケ「こんなことやってる人いるんだ!」っていう風に。そう思ってくれると、嬉しいなと思ってますね。
…まぁ、他人の家の仏さんだし、シェアハウスの子にしてみれば「ぎょぎょ!」っていう感じの子はいっぱいいると思うんですけど!(笑)。
── うん、ありえますね(笑)。
小松田 ね!(笑)。ま、でも、以前行った羽後町のお蕎麦屋さんで普通の民家なんだけど仏間があるところがあったんですよ。「えーーっ!??」って私も最初思ったんですけど、それはそれで、ご先祖さまを大事にすることを学ぶ良いきっかけになるのかな〜って思って。
※写真はイメージです
小松田 それで、このシェアハウスも私は毎日来るわけじゃないので、例えば、住んでくれる子たちにお水変えたり「チーン!」ってしといて!「わかったー!」って感じで。他人の仏壇なんだけど、とりあえずろうそくやってみたいな。
ササッとで良いんで、仏壇に手をあわせる。
仏壇がない家の人もいるかもしれないじゃないですか?だからそんな感じでいいのかなーって。
── 教えられて学ぶようなことでもないですからね。「秋田だからこそ」を上手く活用しててすごく良いと思います。
小松田 そうそう。だから仏間があるというのもいいのかなぁって。そういうつながりというか。ウチの仏壇を大切にしてほしいというよりも、自分たちの御先祖様を大事にするっていう。そういう気持ちを、特に何もいわずに伝えられるかなーって思ってます。
27年続けた看護師をアッサリ退職。何が小松田さんを突き動かしたのか?
── ところで、小松田さんは昨年の10月まで看護師をされていたんですよね…?
小松田 はい!…やめちゃった!!(笑)。
── はは、やめちゃった(笑)。やはりそれはシェアハウスのことに注力したいから…?
小松田 そうです。去年の2月くらいに思い立って、もう仕事を辞めてこっちに没頭したかったんですけど、私は産婦人科だったので…。
産婦人科ってやっぱり看護師のなり手が少ないので「まずもうちょっと待でー」「定年まで待だれねのが?」って。でも定年までだともう5、6年もあるし、そうするとモチベーションも下がるし、やる気もなくなるし…と思って。
── なるほど。
小松田 で、わかりましたーって、仕事の合間合間に蔵片付けに来たりしてたんだけど、なかなか片付かないし。パート(でもいいから続けてほしい)っていう風にも言って頂いたんですが、なかなかパッパパッパと思うように進まないしで…。
結局「10月いっぱいで!(辞めます)」と、わがまま言って辞めさせて頂きました。
もっと自由でいいんじゃないかな?
── 小松田さんを見てると「人生一度っきりなんだから、楽しいことやりたい!」というのを凄く感じるんですね。シェアハウスにしてもやりたいなぁと思う人はそれなりにいても、実際にやる人はなかなかいないと思うんです。何かターニングポイントというか、キッカケとなるような出来事があったんでしょうか?
小松田 んんーーー…きっかけかぁ…。そんな大それたものはないんですけど…(笑)。人が好きなのと、子供が好きなのと。そういうのなのかなぁ…。
あ、でも、かといって子供を「こうしなきゃいけない、あーしなきゃけいない!」とか。そういう子育て論はなくて。なんか「自由でいいんじゃない?」みたいな。
── うんうん。
小松田 やりたいことやらせればいいのに、今の親って「これはこうしなくちゃいけない」「就職は秋田で!」「公務員になれ!」とか。そういう道を大人が勝手に決めちゃってるところとか、そういうのがもったいないなって思うんです、私的には…ね?家を継がなきゃいけない、とか。
── あー…ということは。同じ世代の親御さんのお話し聞いたり、最近の若い人たちの様子を見てちょっと思う事があった…という感じですかね?
小松田 あー…確かに、見てる見てる!うん、それもあるのかなぁ〜。
なんだか最近は若い人が窮屈そう
小松田 私は息子も娘もいますけど、自分の子たちに跡を継いでほしいっていう想いはそんなにないんですよ。みんな結構そういうのがあるみたいで「この家は自分の子供に継いで欲しい」とか。東京にいるんだけど、戻ってきて欲しいとか。
── 確かにそういう声はよく聞きますね。
小松田 私はどっちかというと、子供には子供の人生があるので。戻ってきたければ戻って来れば良いし、向こうでずっと過ごしたいであればそれで良いだろうし。この家も「シェアハウスのおばさん死にそうらしいよ!!」って誰かが噂にして「え、じゃあここどうなるの!?」ってワーッてなってくれて!
── あはは!(笑)。
小松田 それで「じゃわたしがやろうかな」って人が出来てきてくれて、それで治五右衛門て言う名前がずっと続いてくれれば、嬉しいかな〜って思ってます。
やりたいことを始めるのに年齢なんて関係ない
小松田 そうそう。去年の11月に秋田市のとあるイベントで若い人たちと話す機会があったんですけど。何なりたいの?って聞いたらみんな「公務員になりたい」って言うんですよ。もうびっくりしちゃって!
「えーー…!?こんな若くて色んなことにチャレンジできるのに…公務員…!??」って。ちょっと、うーん…安全圏なんだろうけど、もったいないよなぁ…って。私的には、ね?
── ですね…。
小松田 で、聞いているとやっぱり「親に勧められた」とかいう人が多くて。へー…って。公務員が悪いわけじゃないんですけど、なんかもっとチャレンジしたらいいのになー…って。
それで、じゃあこのおばちゃんがチャレンジするよー!って思って(笑)。
── 私の背中を見ろー!と(笑)。
小松田 そうそう、私の背中を見て育てー!みたいな(笑)。
私の周りでも、年齢的に「もう年だからやらない」って人結構多いんですよ。起業したりなんだりってやっぱり30、40代だったり。まもなく定年!というような人が積極的にやることではないじゃないですか?
シェアハウスの話をするとみんな「そんな上手くいくかも分からないのに良くやるねー!」ってびっくりされてたりとかするんですけど「え?何言ってんの?絶対に上手くいくに決まってるし!!」ってそこは強がってて(笑)。
── あはは!強がって返してるんですね(笑)。
小松田 そう!でも、やりたいのに年齢とか関係ないし、やってみないと分かんないし。うん、なんかそういう思いがあって。
何歳になってもチャレンジできるよっていうことだったり、秋田から色々ね、発信していきたいなぁって。そういうのを若い人たちにも見せていきたい、とは思ってますね。
人が集まる、いろんな縁が生まれる場にしたい。
── 今後イベントもやっていきたい、と以前お聞きしましたが、そのあたりのご予定決まっているものがもしあれば、是非教えてください。
小松田 そうですね、まだ全然決まってなくて、ちょっとまだ、日にち的なものだったり、そういうのは未定なんですけど…。
まぁーーー夏はやっぱりバーベキューでしょ!!ていう感じ??
── な、なるほど(笑)。
治五右衛門に遊びに来ると就職も決まっちゃう…?
小松田 例えばなんですけど、イベントを開いたときは、いろんな大人の方も来て、ワイワイガヤガヤしながら大人のやりとりを聞きながら社会の勉強をするとか。あわよくば、ここの人と知り合いになって「デザインできる人ほしいから、ちょっと来て!」みたいな。
ここに入ると就職も決まっちゃう!?みたいな。それで秋田に住む!とか。
そういう風な広がりがあるところにしたいなぁ〜と思っていて。
── あーいいですねー。
小松田 学生だけじゃなくて大人同士も、ここに来たら知り合いになって、どんな仕事してるんですか?とか。同じものを頼むんだったら、ここで知り合ったこの人に頼もうとか。全く知らない人じゃなくてここで知り合ったのも縁だからって、秋田の仕事も広がっていったりだとか。
── ここでの出会いがきっかけになって、新しいことが始まるような場所になったらと。
小松田 そうそう!そうなったらうれしいし。それでシェアハウスの子たちが就職決まったら…嬉しいし(笑)。で、年に1回は泊まりがてらここに塗りに来て交流を深めて、でなおかつ「美大って今どうなってるの?」なんて話が弾んだり。
なんかこう、そういうの楽しいんじゃないかな〜って。
── やりたいことは膨らみますね(笑)。
小松田 ねー!アイデアだけはね、どんどん湧いてくるんだけど!(笑)。
うん、そういうの目指していますね…!
地域性生かし空き家を有効活用 〜シェアハウスへと変貌を遂げた治五右衛門の今後に期待
空き家状態のご実家をシェアハウスとして生まれ変わらせ、自らの手から手放すことなく有効活用。愛着のある部屋も代々受け継がれてきた屋号も守りたい!そんな想いを叶えたばかりの小松田さんにシェアハウスのことからご自身の人生観に関することまで、色々とお話を伺わせて頂きました。
「あれもやりたい!これもやりたい!」とこれからの展望を話してくださる姿は本当に楽しそうで、それを聞いているとなんだか自分まで嬉しい気持ちに。関わる人を幸せにする力を持った方だなーとお話しをしていて感じました。
ちなみに、お伺いした時点で入居が決まっている3名は全て近隣の美大生とのこと。
いずれも「札幌、神戸、長野」と秋田県外ご出身の方ということで、小松田さんが「秋田のお母ちゃん」になる日もそう遠くないかもしれません。
単なるシェアハウスではなく、地域性を生かした、新しい空き家活用の形。
これから周辺地域が抱える課題解決に向けた、良いモデルケースとなってくれることに期待したいと思います。
これからも変わらず治五右衛門、
でも全くあたらしい治五右衛門。
さあさあ、いつでもいらしてくださいな。
愛しい私のおうち、シェアハウス治五右衛門へ。
施設 | シェアハウス治五右衛門 |
---|---|
住所 | 秋田県秋田市新屋元町5−45 |
URL | 治五右衛門 ギャラリー/シェアハウス/アトリエ |
補足 | 駐車場あり、ギャラリーあり、アトリエあり |