デザインとWebの力で秋田を変えていく。オフィスデザインファーム代表 Webデザイナー「遠藤貴絵」さんインタビュー(前編)

デザインとWebの力で秋田を変えていく。オフィスデザインファーム代表 Webデザイナー「遠藤貴絵」さんインタビュー(前編)|CLOCKNOTE

「Weblog」「秋田」と聞いて「おっ?」となった方は彼女と同業者の方かも?

今回は秋田県秋田市内にデザイン事務所を構えるオフィスデザインファーム代表、Webデザイナー「遠藤貴絵(えんどうたかえ)」さんへのインタビューです。

北海道出身の彼女が秋田に来ることに決めた経緯や、仕事におけるデザイン観、そして今取り組んでいる活動・そこにかける想いについてお話頂きました。前編、後編の2記事に分けてそのときの様子をお届けしたいと思います。

まずは前編です。早速以下よりどうぞ。

(聞き手:Qtaro)

北海道苫小牧市出身。美短に通うために秋田へ

オフィスデザインファーム - office design farm 秋田 デザイン事務所

── 今日はよろしくお願いします。早速ですが、肩書きは<ホームページ制作・デザイン事務所>の代表、ということでよろしいですかね?

遠藤貴絵(以下、遠藤) はい、そうですね。2014年まで会社に勤めて6年程Webデザイン・グラフィックデザインの仕事をさせて頂いた後、昨年2015年にデザイン事務所「オフィスデザインファーム」を立ち上げ独立しました。

あと良く秋田の人と間違われるんですが、北海道の苫小牧市出身です。

── 僕も秋田の方だとずっと思ってました(笑)。どうして秋田だったんですか?

遠藤 元々秋田に来たのは美術短期大学に通うため、ですね。

札幌の美術予備校で秋田の美短の教授と出会う

遠藤 経緯をお話しすると…小さい頃から私美術がとにかく好きで。将来もそっちの方に行きたいな~ってずっと思っていたんです。でも入った高校には美術の授業も美術部もなくて…「どうしようかな~」って。それで当時通っていた高校とは別に苫小牧から高速バスで1時間半くらいかけて札幌の美術予備校に通ってたんですね。

── 高速バス!すごい!

遠藤 そうなんですよ~(笑)。

それで、そのとき通っていた予備校にたまたま秋田の美術短期大学の教授がいらっしゃったんです。そのときはじめて「あ、秋田にも美短があるんだ」となって。

── へぇ~。

遠藤 一度(秋田の美短に)行ってみたらすごく雰囲気がいいなと思ったんです。それで「秋田にしよう」となりました。それからずっと秋田ですね。

── なるほど、札幌の予備校で秋田の美短の教授と出会ったのがキッカケだったんですねー。

元々は「絵を描いて」生きていきたかった

デザインとWebの力で秋田を変えていく。オフィスデザインファーム代表 Webデザイナー「遠藤貴絵」さんインタビュー(前編)|CLOCKNOTE

── 昔から美術が好きだったということですが、今Webデザイナーさんとして活動されていますよね。どうしてWebだったんでしょうか?

遠藤 そうですね。元々私は…イラストで生きていきたかったんです。絵を描いて生きていきたかったんです。

── うんうん。

遠藤 そう。それは小学校くらいからずーーっと考えていて、どうやったら絵を描いて生きていけるんだろう?って。それでどうやったらそれを実現出来るかを逆算で考えてみたんです。そしたらまず好きに絵を描いているだけで食べていくってのは無理だから、デザインの学校行こうとなって。でもグラフィックデザインだけでも結局絵描いてるだけは…生きていけないな~となって(笑)。であればWebもやったらなんとか(絵を描きながら生きていくに)繋がってくるのかな~…という感じなんです。

── なるほどなるほど。

意外?な落ちこぼれ時代。Web知識0でスタートした美短生活

遠藤 だから自分がWebに携わるようになったのって大学に入ってからなんですけど…もう本当に何も分からない状態からスタートで…。

そのときの自分の回り人たちって元々「パソコン大好きです!!」みたいな人たちばっかりだったので、本当その中で浮きまくりだし「スイッチどこ??」みたいな…うん、結構ヤバい人だったんですよ(笑)。

── あ、じゃあWebどころか、良くいるパソコンなんかが凄く苦手なタイプの…

遠藤 そう!もう全っ然わからなくて!(笑) 。当時はすごい怒られたりしてました…。

でもこっちとしては「分からない人って、分からないことが分からないんですよ!!」みたいな感じで(笑)。聞いてと言われても何を聞いたらいいのかも分からないし、入った当初はしばらく「その言葉、なんですか…orz」みたいな状態でしたね。

デザインとWebの力で秋田を変えていく。オフィスデザインファーム代表 Webデザイナー「遠藤貴絵」さんインタビュー(前編)|CLOCKNOTE

── あはは!入学当時ビリの方、ではなく「本当にビリ」だったと聞いた時は確かにかなり意外でした(笑)。

遠藤 はい、本当にビリでした…(笑)。でも逆にそれでスッキリしたというか、そこから猛勉強したんです。それこそグラフィックもWebも専門書を読み漁って…。それで実際にやりだしてみたら「面白い!」っていう風に感じられるようになりましたね。

デザインブログ「Weblog」について

── ところで秋田県以外の方で遠藤さんの事を知ってくれているとしたら、多くの方はブログ(Weblog)で知ってくれてると思うんですよ。

遠藤 うんうんうん。

── 自分の話で申し訳ないですが、ちょうどWebの勉強をしだしたのが2012年くらいでちょうど遠藤さんがブログ書かれてたタイミングくらいなんですよ。だから当時はそれこそ遠藤さんのブログとか、Webデザインレシピさんとか、Webクリエイターボックスさんとか…凄く参考にさせて頂いてて。あーこういうの個人で書けちゃうなんてすごいな~って思ってました。

Weblog 秋田遠藤さんのブログ「Weblog」

遠藤 ありがとうございます。「ブログ見てます!」って言ってもらえるのは凄く嬉しいです♪

そうですね~…2012年くらいってWeb系女子のブログが熱かったというか、あの頃は特に流行ってましたよね。私はブロガーさんではないので更新は間もなく止めてしまいましたが…。うーん、あの時代良かったなぁ~(笑)。

── あの時代って(笑)。

ブログで一気に上がった知名度・信頼度

── たぶんこの記事見て下さってる同業者の方であれば「あーWeblogの遠藤貴絵さんだ~!」ってなる人結構いると思いますよ。

遠藤 えーー!?ほんとですか~??(笑)。

── おそらく。でも実際東京でセミナー(イベント)とか参加すると、声をかけられたりすることも結構あるんですよね。

遠藤 あ、そうですね。私東京で行われるWordCampには良く参加させて頂いていたんですが、そういうときも見ず知らずの方から「ブログ見てます!」とお声がけ頂くことがありました。

── うんうん。

遠藤 あとはブログがきっかけで秋田県内の企業様からお声がけ頂いたり、海外で働く日本人の方に見つけて頂いてSkypeでコミュニケーション取りながらお仕事させて頂いたり…。そうですね。

ブログで発信したことによって知らず知らず自分の認知度・信頼度が上がっているんだな~というのは確かに感じますね。

遠藤さんのデザインのコンセプト

デザインとWebの力で秋田を変えていく。オフィスデザインファーム代表 Webデザイナー「遠藤貴絵」さんインタビュー(前編)|CLOCKNOTE

── 遠藤さんのお話を聞いていると、本当に「デザイン」が好きな方なんだな~というのが凄く伝わってくるんですね。Webデザイナーと一口に言っても結構やることの幅が広いし、人によって得意分野も違うじゃないですか?「Webサイトを作る」っていうシステム寄りなこともしますし、名前の通りデザインを考えるだったり、イラストを描く人もいますし。

遠藤 うんうん、そうですね。

── 変な質問ですけど、どれか一つだけを取ってと言われたらやっぱり「デザイン」なんですよね。

遠藤 んーそうですね、私は絶対そっち(デザイン)です。

── ですよね。

遠藤 はい。何を最優先に考えているかといったら…やっぱりデザイン(をどうするか?)なんです。

Webだけではなくグライフィックもそうなんですけど、デザインって商業寄りとアート寄りで分かれてる気がします。商業寄りというのはうまくいえないのですが…「安さ」を強調したり「文字の大きさ」を大きくしたり「目立つ!」「強い!」みたいな感じですかね…?私の場合はそうではなくて、「どういうところが強みですか?」とか「じゃあそこはこういう風にPRしていきましょう」とかコンセプトを聞き出してビジュアルの裏側から提案させて頂ければ嬉しいなぁと考えているんです。

── うんうん。

攻撃的ではなく、気持ちが優しくなるデザイン

遠藤 例えば…これとか良くお見せするんですけど。

お話の中で見せていただいた制作事例は以下記事参照のこと
パンフレットデザイン – office-design-farm

── うんうん。

遠藤 車屋さんのパンプレットなんですが「女性にPRにしていきたい」というご要望で相談頂いたんです。であれば、女性が見たいな、かわいいなって興味を持てるデザインにしたいなと思って。それでこの頃ってちょうどこども店長がすごい流行ってた時期だったので、それにちょっと便乗して子供整備士と子供先生っていうキャラクターを作って。子供たちが車のことを紹介していく、そういう見せ方にしませんか?と提案させて頂いたんです。

── うん、これすごくいいと思いました。

遠藤 そんな感じで…うん、ほっこり…かわいい…というか。

攻撃的ではなくて、気持ちが優しくなる、親しみやすさ感じてもらえるようなデザインを常に心がけていますね。

学生時代から意識し続けている「デジタルとアナログの融合」とは?

遠藤 あとWebに携わるようになってからずっと思っていることなんですが、Webやってる人って(アナログな)絵を描ける方があまりいないじゃないですか。

── あーそうですね。

遠藤 そう。だからデジタルはデジタル、アナログはアナログって分かれちゃうんですね。同じように絵描ける人でWebサイトも作れる人というのもやっぱりあんまりいなくて、そこは(サイトを作ることに関しては)別の人に頼んだりとかになりがちで。

── うんうん。

遠藤 大学時代に「デジタルとアナログの融合」っというのを研究テーマにしていて、ずーーっとそのテーマに沿ってサイト作ってたんですが、基本的な考え方はその頃から変わってないんです。

デザインの特徴|オフィスデザインファーム 秋田デザインの特徴|自己紹介 – office-design-farmより引用

遠藤 もちろん必要に応じて人に頼むのが悪いということではないですが、この「どっちも出来る」というのは自分の強みかなと思うんです。だったら自分は如何にもWebっぽい硬いイメージのサイト…ではなくて。もっと柔らかさだったり…手書き要素だったり…、そういう気持ちが優しくなる、親しみやすいWebサイトをどんどん作っていきたいなと考えています。

「地方とweb」。まだまだ課題の多い秋田のWeb活用

デザインとWebの力で秋田を変えていく。オフィスデザインファーム代表 Webデザイナー「遠藤貴絵」さんインタビュー(前編)|CLOCKNOTE

── 確かに「地方とWeb」を組み合わせようとしたときって、アナログっぽさというか…。手作り感とかナチュラルさみたいなのってすごく大事だよなぁって自分も良く思います。今って全部が全部という訳ではないですけど、どんどんWebはWebっぽくなってる感じがあるじゃないですか。

遠藤 そうそう。最近は秋田でもオシャレなサイトが増えてるな〜とは思うし、もちろんそういうデザインはそれはそれで良いんですが、でも今は…うーん、あまりにもそういうのが多すぎるというか…。

── どっちも必要なんですよね。

遠藤 そうなんです!使い分けられればいいと思うんです。

そういうWebらしい今っぽいサイトもすごく素敵だし必要なんですけど、私は私でそれとは違ったデザインを得意にしているし…これからもそういう方向でずっとやり続けていく立場にいたいなと思ってて。

── うんうん、凄く良いと思います。選択肢がある状態でそこにあったWebサイトを提供できるようになったらいいだろうなとは思うんですけど。そのあたり秋田は業者が少ないこともそうだし、Webの重要性の理解が十分でないこともだし。まだまだ色々上手くいってないんですよね。

遠藤 そうですねー、そう思います。

── だから遠藤さんが得意とするような、こういうアナログでほっこりなデザイン出来る人って今秋田ですごく貴重な存在だと思うんです。地方でこれからどんどん活きてくる能力だと思うので、この遠藤さんらしいデザインは是非続けてほしいなと個人的にも思います。

遠藤 うん、うん…、頑張っていきたい、です♪

自分にしか出来ないこととか、これからもどんどん身につけて…。


前編はここまでです。

まずは遠藤さんご自身のこと、あとはデザインへの考え方についてお話頂きました。

本編では字数の都合上カットさせて頂きましたが、新規参入者のやりづらさや意欲ある若者が前に出てきづらい今の秋田の現状に強く問題意識を感じていることをこの後しばらくお話してくれました。「秋田を変えよう!」と奮闘する若手がいるのに、魅力ある働く女性がたくさんいるのに、全然それが繋がれていない。それを活かせたら確実に秋田は変わるのに!と熱く語ってくれます。

でもいくら待っていても何も変わらないし、誰もやってくれない。
誰もやってくれないなら………自分がやるしかない。

遠藤さんは動き出します。続きは後編で。

今回お話を伺った方
遠藤貴絵 秋田県 Webデザイナー
遠藤 貴絵(endou takae)
Webデザイナー/オフィスデザインファーム代表
北海道苫小牧市出身。2007年に秋田県内の美術短期大学に進学、卒業後秋田県内の企業にて6年程Webデザインとグラフィックデザインの仕事に携わる。2015年にオフィスデザインファームを立ち上げフリーランスのWebデザイナーとして独立。本業の傍ら秋田の情報発信推進事業を立ち上げ、Web活用に関するセミナーの主催や秋田県内の働く女性を支援するための活動も行う。
  office-design-farm|HPデザイン事務所 farm

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ABOUTこの記事をかいた人

カマダダイスケ / Qtaro

秋田市出身在住。フリーランスWeb屋・ブロガー・クロックノート運営管理人。2014年に東京からUターン。Web制作業の傍らこのサイトの運営を通じて地元秋田の魅力や課題を見える化すべくメディアを立ち上げました。取材希望・各種ご相談はお問い合わせより承っております。お気軽にどうぞ!