どうも管理人のカマダです。
先日8月2日、7月末に豪雨に伴う浸水被害を被った大仙市にある酒蔵「出羽鶴(でわつる)」さんの復旧ボランティアに一人でお邪魔してきました。
特に取材ということではなく、少しでも掃除のお手伝いが出来ればとお伺いさせて頂いたのですが、
実際に足を運んでこの目で確かめたところ想像以上に状況が良くなかったので、一人でも多くの方に被害の状況を共有できればと思い、ブログ的に書き残しておくことにしました。
詳しい状況は、やまとしずく取り扱い酒販店「アキモト酒店」さんのブログで逐一報告されていますので、気になる方は是非そちらも合わせてご参照頂ければと思います。
※記事内の写真は全て2017/8/2に撮影したものです
アキモト酒店さんのブログにてアナウンスがありました。一旦新規の募集は停止し、再度計画を練ってから募集再開する予定のようです。
出羽鶴蔵復旧ボランティア いったんお休みさせていただきます。
蔵のすぐ裏の川が氾濫。蔵全体が床上浸水した「出羽鶴蔵」
県南部を中心に甚大な浸水被害をもたらした、7月22日・23日の記録的豪雨。
出羽鶴蔵は、蔵のすぐ裏を流れる楢岡川が氾濫したことで、蔵全体が床上浸水しました。
ちなみにまだ水は濁っているものの、現在は川の水量自体はほぼ元の状態に戻っています(写真向かって左側が出羽鶴蔵)。
被災後、公式Facebookページでも状況が共有されました。
場所によっては1m以上。過去最大級の浸水被害
20年前にも同じように豪雨により川が氾濫し浸水被害を被った出羽鶴蔵。
そのときの教訓を生かし、出来るだけ高いところに器具を移動させる等対応を取られたようですが、結果として想像を遥かに超えた水が押し寄せ蔵全体が浸水。蔵の1Fのものはあちこちに流され、当時の被害を知る関係者の方も「ここまでの浸水は経験したことがない」と口を揃えます。
以前は被害がなかったという千年蔵(仕込み蔵)も今回は浸水してしまい、配線のショート等によりタンクの多くは故障。
以下写真、真ん中あたりに見える白線のところまで浸水したようです。
浸水から10日ほど経ち、何度か水で洗い流す作業を行っているようですが、未だ足元はこのような状況。
まだまだ泥を洗い流すだけでもかなりの時間がかかりそうです。
機械の故障も深刻。大まかな清掃が済んだ「後」の問題が山積み状態
兄弟蔵である刈穂との連携や酒販店の方の協力等もあり、直近の優先度の高い作業はなんとかこなしている状況とのこと。
ただ、水・泥を浴びてしまった備品の清掃、機材の故障等への対応はまだまだこれからが本番で、根本的な解決には至っていない箇所が多く残っているようです。
蔵の案内をしてくれたアキモト酒店 店主秋元さんは、特にこれから秋以降、酒造りが始まるまでに精米機の修理・清掃が間に合うかを非常に心配されていました。
精米所は水の侵入口となったため蔵全体の中でも特に被害が大きかったようです。
この位置(白線)まで浸水したとのこと。胸元くらいの高さ。。
急ピッチで復旧作業が進められています。
精米機以外もまだ多くの機械は動作確認出来ていない状況で、人気銘柄「ヤマトルネード」の製造に不可欠なこちら↓の遠心分離機も少なくとも部品交換が必要そうとのこと。
そもそもがとてつもなく高額な機械ですが(金額聞いてびっくりした。。)修理には相当な費用がかかる見込みとのことです。
あとは機械以外だと、蔵内部の壁が板張りになっている箇所のあちこちで壁の中の断熱材が水を吸って変形し固まってしまっているのが見受けられました(元々は平面な壁)。
他の箇所と比べれば優先度は低いとのことですが、カビ等の原因になりうるのでこれも後々対応しなければいけないようです。
どれだけお金と時間がかかるんだろう。。
ボランティアを検討されている一般の方へ
まず、蔵元への直接の連絡は(今は)控えましょう。
非常に現場が慌ただしい状況ですので、負担をむやみに増やさないよう、出来る限りの配慮をお願い致します。
まずは関係者が公開している最新情報をチェック
ボランティアでの協力を検討されている方は、まずは蔵の状況を把握されている「アキモト酒店」さんのブログをチェックされるのが良いかなと思います。
参考「出羽鶴蔵」復旧ボランティアを募集します!!|アキモト酒店
ちなみに、秋元さん曰く「今は色々と慌ただしくしてしまっているが、引き続き支援を頂けるよう今後の受け入れ体制については現在見直し中」とのこと。
被災から時間が経った後のフォローこそが大切であろう状況だけに、このあたり非常に重要なポイントとなりそうです。
アキモト酒店さんのブログにてアナウンスがありました。一旦新規の募集は停止し、再度計画を練ってから募集再開する予定のようです。
出羽鶴蔵復旧ボランティア いったんお休みさせていただきます。
一般のボランティアが手伝える作業はあるか?
バタバタとしている中、自分のような酒造りに詳しくない人間が手伝いに入って邪魔にならないかと心配していたのですが、実際に行ってみて少なくともボランティアは必要と感じました。
例えば、こちらの青色のパネルを自分も清掃させて頂いたんですが(写真に写っているのは蔵人の方)、汚れが非常にしつこく1〜2時間で洗えたのは2人がかりでせいぜい5、6個程度。
↓でも、まだまだこれだけのパネルがあります。
パッと見、綺麗に見えますが。。近づいてみるとご覧の状況。泥がこびりついてしまっています。
泥を水で洗い落とすような比較的単純な作業が中心になるかと思いますが、とにかく量がハンパじゃないので、あきらかに人手が足りてません。
ご都合合う方は、是非ボランティアの申し込みをご検討ください。
(重ねてになりますが、足を運ぶにしろ問い合わせをするにしろ、くれぐれも蔵元の迷惑にならないよう、ご配慮の程よろしくお願い致します。)
アキモト酒店さんのブログにてアナウンスがありました。一旦新規の募集は停止し、再度計画を練ってから募集再開する予定のようです。
出羽鶴蔵復旧ボランティア いったんお休みさせていただきます。
【飲んで応援!!】出羽鶴・やまとしずくを飲んで支援しよう
7月22日・23日の記録的豪雨により、県内の酒蔵でおそらく一番被害を受けたであろう出羽鶴蔵。ご覧の通り、まだまだ復旧には相当な時間がかかりそうです。
浸水被害に胸を痛めている方、何か力になりたいと思ってる方も少なくないはず。こういった状況において
「今、何をすることが支援になり得るのか?」
出羽鶴・やまとしずく取り扱い酒販店の方が口を揃えておっしゃっているのは
飲んで応援しましょう!
ということ。秋田市大町の酒販店まるひこさんはブログで以下のようにコメントされています。
私どもにできることは「御蔵のお酒を一本でも多く皆さんに飲んでもらうこと」。この冬に造ったお酒を一日でも早く飲んでもらい、一つでも多くのタンクを空にし、今度の造りの準備に入れるようにすることで協力をしていきたいと思います。
「心中お察しします」「応援しています」といった言葉が無駄とは言いませんが、自分としても、もし応援の気持ちがあるのであれば皆さんのその気持ちをぜひ、復旧の力になる具体的な支援に繋げてほしいなと。
8月夏本番、これから行楽や帰省の折にお土産や名産品を手に取る機会も多くなるかと思います。出羽鶴、やまとしずく、兄弟蔵の刈穂。おいしいお酒がたくさんあります。
もし、「どれ、秋田のお酒でも。。」そう思った折には
「そういえば出羽鶴さん今大変だったな」
「せっかくだし飲んでみようかな」
とお手に取って頂けると、個人的にも非常に嬉しく思います。
僕らができる一番身近な支援は、出羽鶴さんのお酒を楽しむこと。
一人一人の出来ることは僅かですが、それらが積み重なればそれは大きな力に。
大事なのは祈りではなく、確かな「一歩」。
こんなときこそ、支え合っていきましょう。
簡単ではありますが、このへんで。ではでは。
【追伸】
蔵人による詳細なレポートがSAKETIMESさんで公開されていました!必見です。
